変異株はスパイクタンパク質のアミノ酸が少しちがいます

(PDB ID:7dwx, 7k8z, 7l2d)

新型コロナウィルスには、多くの変異株があり、アルファ株、デルタ株、オミクロン株などと呼ばれています。 これらの株は、スパイクタンパク質のアミノ酸がいくつか変化しています。 下のアルファやデルタのとなりにある○のボタンを押すと、それぞれの株でアミノ酸が変化した場所が表示されます。 また、 N501Y, P681H, T19Rなどは変化した場所と変化したアミノ酸を表しており、□のボタンを押すと、その場所が赤い球で示されます。 例えば、N501Yとは 501番目のアミノ酸のN(アスパラギン)がY(チロシン)に変化したことを表しています。 N501Yをクリックしてみましょう。変異部位N501が赤い球になります。 三個所が赤い球になるのは、スパイクタンパク質は3本の同じ鎖が組み合わさってできているからです。 この場所はちょうどヒトの受容体の結合部位にあたるため、この変異によって受容体と結合しやすくなる可能性があります。また、抗体と の結合にも関係するかもしれません。デルタ株のT478も受容体との結合に関係するでしょう。 一方、デルタ株のP681は、受容体や抗体から遠く、結合には直接関係しないと考えられます。しかし、最初にお話ししたように、感染が進行するには、 S1と呼ばれる頭部が離れる必要があります。下の「スパイクのS1/S2切断部位(685/686)」をクリックすると、切断部位が緑色の球で示されます。 P681はこの切断部位にとても近く、頭部の切断を起こりやすくするのかもしれません。 N501Yなどの変異の書き方については、「タンパク質をつくる20種のアミノ酸」のページに詳しい説明があります。

※変異部位の情報は ViralZoneCoVariants から入手しました。